中国のシェアリングキッチン「パンダセレクト」が55億円資金調達

中国でシェアリングのキッチンを提供する「パンダセレクト」は2月22日、55億円の資金調達に成功した。パンダセレクトはフードデリバリーのプラットフォームに出店している飲食店向けにシェアリングで利用できるキッチンを提供している。現在北京、上海などで100カ所以上展開しており、500以上の飲食店が出店している。

シェアリングキッチン 「パンダセレクト」が55億円資金調達

中国でシェアリングのキッチンを提供する「パンダセレクト(Panda Selected・熊猫星厨:xióngmāo xīngchú )」は2月22日、5000万ドル(約55億円)の資金調達に成功したと発表した。リードインベスターはタイガーファンド。今回の資金調達でパンダセレクトの企業価値は3億ドル(約330億円)になった。調達資金はキッチン拡大のための不動産購入などに利用される。

シェアリングキッチン は飲食店向けのWeWork

パンダセレクトは北京聯創聚興科技(北京联创聚兴科技)が運営しており2016年3月にスタートしたサービスだ。「饿了么(ウーラマ)」や「美团外卖(Meituan Delivery)」などのフードデリバリーのプラットフォームに出店している飲食店向けにシェアリングで利用できるキッチンを提供している。最近は日本でもWeWorkをはじめとするシェアオフィスが登場してきているが、飲食店向けのWeWorkだと考えるとわかりやすいだろう。キッチン一カ所の面積は約400~500㎡で、15~20店舗が出店している。現在は北京、上海、杭州、深センで100カ所以上のシェアリングキッチンを展開しており、今後8か月で200カ所に増やす計画だ。火鍋チェーンの「海底捞」やコーヒースタートアップとして話題になった「luckin coffee」など500以上の飲食店がパンダセレクトのシェアリングキッチンを利用している。

フードデリバリーの食品安全問題を解決

中国で急激に発展したフードデリバリーサービスは確かに便利であるが、消費者はどのような場所で食事が作られているのかを見ることはできない。かつて「饿了么(ウーラマ)」などのアプリに記載されている店舗の住所に行ってみると、実際には飲食店ではなく民家で作られていたというニュースもあり、食品安全の確保はフードデリバリーにおいて一つの課題であった。

パンダセレクトではシェアリングキッチン内で扱う食材の加工やサプライチェーンのチェックを行ない品質管理を徹底しており、キッチンに入場できるのも許可証を携帯している人に限られている。またキッチン内に設置された監視カメラでは調理の様子をチェックしており、問題があった飲食店は撤退させられる。パンダセレクトで作られたフードであれば安全性が担保されているというのは消費者にとって大きな魅力になり、パンダセレクトに出店している飲食店も安全性の高さを証明することができるのだ。

出店店舗に対するコンサルも

パンダセレクトの収益源は飲食店が支払う使用料がメインだ。その他にもデリバリーの販売データなどから分析を行ない、出店する飲食店に対するコンサルティングも提供している。現在は収益化できていないが、2019年末頃には損益分岐点に達する見込みだ。フードデリバリーが当たり前となった中国だからこそ生まれたビジネスといえるシェアリングキッチンであるが、飲食店の家賃が上昇する都市部では、シェアリングキッチンを利用することでコストが下がるため需要の拡大が見込めそうだ。パンダセレクトの今後の展開に期待したい。

 

 

source:https://bit.ly/2IzPOxT