中国美容医療業界のダークホース?美容皮膚科が若者に人気!

ここ2年間で、中国の都市に美容皮膚科が続々とオープンしている。健康保険適用外で自由診療を行う医療クリニックである美容皮膚科は、従来の美容医療の主流である美容整形とは異なり、手術を行わなずにスキンケアや注射等の治療に特化する方針で、多くの若者から支持を得ている。一方、統計によれば美容皮膚科市場のプレーヤーはまだ非常に少ない。美容皮膚科のブランドは10ブランドにも満たず、そのうちのほとんどが最近生まれたブランドだ。主に二線・三線都市をターゲットにしている。高頻度で消費される美容皮膚科は、美容医療業界の主流となり得るのだろうか。美容医療業界のダークホース、美容皮膚科に期待が高まっている。

90後・00後の消費能力の高まりと美容皮膚科の台頭

現在、美容施設の消費は美容院と美容整形を行う美容外科が主要である。《2018年美容医療業界白書》によれば、20~30歳の消費者が美容医療業界の消費の63%を占めるという。しかし、90後・00後(1990年代生まれ・2000年代生まれ)の消費者は、美容外科に行くことがほとんどない。手術を伴う二重埋没と隆鼻術(埋线隆鼻)は、現在中国で最も人気のない美容医療項目だ。一方で、肌の改善・肌管理に対する中国消費者の需要は、世界需要の2倍の速度で増加しているという。2010年以降、90後・00後の若者世代の消費能力が高まるにつれて、手術を行わない美容皮膚科が新しい医療美容の形態として台頭してきた。

 

中国では美容医療消費が大衆化しつつあるが、美容皮膚科はまだまだ認知度が低く、その分大きな発展可能性を秘めているという。繁星軽医美(FANCY CLINIC)のCEO・劉騰飛によれば、美容皮膚科の中国における存在感はまだまだ小さい。美容皮膚科のビジネスモデルは、中国ではまだまだ規模が小さいし、まだ流行にもなっていないのである。よって、消費者の認知度や市場シェアには、これから大きな成長の可能性がある。

経営コストの小さい美容皮膚科

また、劉騰飛によれば、美容外科の経営と比べ、美容皮膚科の経営には3つのアドバンテージがある。第一に、美容外科と比べて経営コストが小さくて済む。一般的に美容医療は、資産回転率が低いビジネスモデルだ。特に、美容外科であれば5~8千平米の敷地に200人の従業員が必要で、毎月600~800万元の売り上げをあげてやっとバランスがとれるほどである。一方、そんな美容医療産業であっても、美容皮膚科であれば300平米の敷地と10人ほどの従業員がいれば十分だ。毎月50万円の売り上げでもやっていける。施設の面積、従業員の数も、美容外科と比較すると格段に少なくて済む。よって、少ない投資でもより多くのクリニックを経営し、より多くの消費者と接触することが可能になるのである。第二に、美容皮膚科は顧客獲得コストもかからない。300平米の美容皮膚科であれば1日に15~20人の顧客を診れば十分であり、簡単な宣伝のみでも成り立つ。一方、5000平米の美容外科であれば、毎日およそ200人の顧客を診る必要があり、広告等で新規客獲得の努力をし続けなければならない。第三に、より質の良いサービスの提供が可能である。美容外科と比べ、美容皮膚科のサービス項目はより細分化されているため、一つの項目に対し集中したサービスが提供できる。消費者にとっては、より細分化され、コスパの良い選択肢が増えることになる。加えて、手術を行う美容外科に比べ、手術をしない施術を行う美容皮膚科は、顧客のリピート率や消費頻度も比較的高い。
経営コスト・顧客獲得のコストが比較的小さく、美容整形と異なり顧客のリピート率も高いことが、美容皮膚科が新しい美容医療の市場として注目される所以である。

二線・三線都市の若い女性の需要拡大の流れ

据德勤が2018年9月に発表した「中国美容医療O2O市場分析」によれば、中国の美容医療市場は2017年に1925億元(約3.17兆円)に達し、2013~2017年にかけての年平均市場成長率は22%を記録した。2018年から2022年にかけては、年平均20.1%のペースで成長し、2022年には市場規模は4810億元(約7.93兆円)に達すると見込まれる。


pencilnews(铅笔道)によれば、中国の美容医療市場には新興ブランドが少なく、市場はブルーオーシャンであるといえる。

pencilnews(铅笔道)発表。美容皮膚科市場の企業一覧


また、ほとんどの新興ブランドは一線都市以外の都市でビジネスを展開している。「2018年美容医療白書」に基づけば、美容皮膚科の分布においては、二線・三線都市の若い女性の需要が将来的に大きく成長することがわかっている。18~40歳の浸透率は21.18%、新一線都市では8.73%、二線都市では4.22%、三線都市では1.95%。二線・三線都市の浸透率は未だ低く、美容医療関連企業のターゲットになっているという。

劉騰飛は、手の届くぜいたく品ではなく、誰でも手の届くサービスとして普及するべきであると考える。現に、既に韓国ではヒアルロン酸注入やボトックス注射などの施術は、300~400元(約5000~7000円)で行うことができるようになっている。
一般層の消費が徐々に成熟し、美容皮膚科の流行は、芸能人やワンホン(中国のインフルエンサー)、ブロガーのみにとどまらず、徐々に一般の消費者にも広がっている。消費社会が成熟し、企業間の競争が高まるにつれ、中国の美容医療消費もどんどんアップデートされていくことだろう。

source:https://bit.ly/2Ewm00N