運動ビッグデータレポート<中国の運動習慣動向編>

運動 ビッグデータ とは?

IoTの進展により、人々の生活の中から得られるデータは増大・多様化を続けている。こうしたビッグデータの活用によるサービスの向上・最適化が期待される中、中国では人々の「運動」に関するビッグデータを利用したビジネスが生まれている。今回は、中国のリサーチ会社艾瑞咨询(アイリサーチ)の『2018年中国運動ビッグデータ業界研究レポート』より、中国の「運動ビッグデータ」の最新動向を前後編に分けてご紹介したい。前編では、運動ビッグデータからわかる、中国人の運動習慣動向についてまとめる。

「運動ビッグデータ」とは、運動に関して多様な情報を蓄積したビッグデータとそれに基づく統計資料のことで、ユーザーがウェアラブル端末や運動関連アプリを用いて運動をする際に取得される。中国で主に利用されているウェアラブル端末は、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートイヤホン、スマートスニーカーなど。また、ユーザーは、このビッグデータを用いてトレーニングの指導を受けたり、体型管理・健康管理に役立てることができる。中国では、PELETONや咕咚(codoon)をはじめとする数多くの企業が運動ビッグデータを活用したビジネスを行っており、こうした事例については後編でまとめる。

運動 ビッグデータ から見る、中国人の運動習慣動向

中国のリサーチ会社艾瑞咨询(アイリサーチ)は、中国全国のウェアラブル端末や運動関連アプリを用いて運動をする習慣のあるユーザー1193人について調査を行った。

大学卒業以上が約8割、月収1万元を超える人が3割近く

まずは、ユーザー像だ。男女比は、男性が56.7%、女性が43.3%と男性の割合がやや大きい。

四年制大学卒業以上の学歴を持つものが79.7%を占め、高学歴の傾向があるようだ。ユーザーの82.5%が既婚で、72.1%が子供を持つ。三人家族を持つユーザーが7割を占めている。ユーザーの平均年齢は33.4歳、30歳以上のユーザーが64.6%だった。また、企業の管理職が43.3%を占める結果となった。

月収が1万元を超える人が29.3%、さらに世帯月収が2万元を超えるユーザーが41.3%と、生活に余裕のある高収入層が3~4割を占めている(2017年の中国の年間1人当たりGDPは5万9660元で、月収1万元を超える人は高収入層であるといえる)。一方、三線都市、四線都市のユーザーは合わせて41.2%と4割以上を占めており、一線・二線都市のような大都市だけでなく、三線・四線都市も重要なターゲットであることがわかる。また、ユーザーの使用するアプリは、SNSとECサイトが大部分を占めた。

外でのジョギングが人気、運動習慣維持のカギは仲間を探すこと

日常的に行う運動の種類では、屋外でのジョギング、ウォーキング、家庭でのトレーニングが人気だ。また、これらの運動は、アプリを使って運動する場合においても人気であることがわかった。ユーザーが運動について持つ悩みは、「長い期間運動の習慣を持ち続けること」と答えた人が62.2%で最も多く、「励ましあえる仲間がいないこと」と答えた人が46.4%と二番目に多かった。このような悩みを解決する方法は、「有効な運動仲間を探すこと」であると考える人が70.7%で最も多く、ユーザーが有効な運動のパートナーを見つけることができるようサポートするサービスが重要であることがわかる。

運動アプリを知るきっかけは友人やSNSのタイムライン

ユーザーが運動関連アプリについて知るきっかけで、最も多いのは友人・知人の薦め、次にWechatやWeiboのタイムライン、3位以降はアプリストアのランキング、オンライン広告、運動系イベントのスポンサーなどが続いた。

運動関連アプリを使用する目的で、最も多いのは、「運動に関するデータの記録」、次に多いのは「日常的な運動の記録をシェアすること」であった。また、若者の間で、自分の運動方法や運動の心得、自分が行った運動の効果などをSNS等でシェアする傾向もあることがわかった。

スマートバンドなど腕につけるタイプの製品が人気

使用するウェアラブル端末の製品カテゴリーでは、スマートバンドが最も人気で、ユーザーの67.6%が使用している。2位にスマートウォッチが続いた。腕につけるタイプが依然として人気であるようだ。3位以降はスマート体脂肪計やスマートイヤホンなどの製品が続く。また、現在使用している製品に改善を望む点として、反応が鈍い時があること、価格が高いこと、機能がひとつだけしかないことなどと回答があった。顧客のニーズをより満たすためには、製品の質の向上も求められている。また、将来的にオーダーメイドのウェアラブル端末を購入してみたいと答えたユーザーは88.8%に上った。具体的には、オーダーメイドのスマートバンドやスマートスニーカーを購入してみたいと答えたユーザーが多かった。

 

後編では、運動ビッグデータを活用する企業・サービスの例と、運動ビッグデータの課題と展望についてまとめている。

source:https://bit.ly/2TOjngI