運動ビッグデータレポート<フィットネスアプリ編>

前編では、運動ビッグデータから読み取れる中国人の運動習慣についてまとめた。以下後編では、こうした運動ビッグデータを活かしたアプリやビジネスを展開する企業について、ご紹介する。

咕咚(Codoon)は、多様なハードウェア製品とアプリのコンビネーションが売り

スマートウォッチやスマートイヤホンをはじめ、スマートスニーカー、スマート体脂肪計、さらにスマートスポーツブラなど、多様なハードウェア製品を展開している咕咚。フィットネスアプリは、運動の記録、運動記録の分析によるウォーミングアップやストレッチの提案、AIによるトレーニングプログラムの提供、近くのランニングコース検索できる機能に加え、ヘルスケアに関する写真や動画、文章等を投稿しシェアできるSNS機能が揃っている。アプリの利用者は現在1.5億人を突破し、50億件規模の運動ビッグデータを有している。

咕咚は、中国国内で一早くウェアラブル端末とプラットフォームの組み合わせに目を付けた、先駆者的企業。2009年に成都で創業された当時の咕咚は、ハードウェア企業としてスマートバンドを生産していたが、後に運動によるソーシャライゼーションに注目してアプリをリリースした。更に、オンラインマラソン大会を中国各地で開催し、2018年にはユーザーから集めた運動ビッグデータを生かしたオンラインレッスンの配信も開始するなど、事業を拡大している。

Keepは、短時間でできる フィットネス メニューの配信に加え、北京でジムも開設

Keepは、オンラインレッスンやトレーニングプログラムの動画配信をメインとしたフィットネスアプリで、アプリのユーザーは1億人を突破している。また、レッスンの他にも、ユーザーがコンテンツを作って発信できる機能があり、ユーザー同士がモチベーションを高めあう役割を果たしている。Keepはアプリに加え、スマートランニングマシーンなどのハードウェア製品や、スポーツウェアやヨガマットなどのフィットネス用品も展開している。更に、2018年には北京でフィットネスジムを開設。オンラインにとどまらない事業の拡大を目指している。

悦跑圈(Joyrun)は、ランニングに特化した事業を展開

悦跑圈は、個人ユーザー向けのランニングアプリに加えて、ランニング情報を配信するメディア、オン・オフラインでランニングイベントの開催、ランニングウェアのデザイン、ランニングチーム向けのアプリなど、ランニングに特化したビジネスを幅広く手掛ける。悦跑圈は、オンラインマラソンを中国で初めて開催した企業で、これまでにも数多くのオンラインマラソン大会を開催してきた実績があり、国の体育協会とも公式に提携している。

2015年からは、オンラインマラソン大会以外にも、乳がんの正しい知識と検診の大切さを伝えるというピンクリボンの理念を広め、女性の健康について考えるよう呼びかける目的でピンクリボンランを開催している。オンラインにとどまらないフィットネス企業として、3km~10kmと気軽に挑戦できる短距離マラソンのイベントを次々生み出し、ランナーにより多くのサービスを提供する姿勢を見せている。

現金がインセンティブになるアプリ、悦动圈(Yodo run)

悦动圈(Yodo run)は、運動量に応じて現金の紅包(ホンバオ、中国のお年玉)が受け取れる仕組みが特徴的なフィットネスアプリだ。SNS機能では、ユーザーがオフラインでのイベントを企画することができる機能が人気を集めている。

アリババ傘下の乐动力(Ledongli)

乐动力(Ledongli)は、オンラインのトレーニングメニュー、SNS機能などを持つフィットネスアプリ。アリババグループのスポーツ部門であるアリスポーツは、2018年4月に乐动力を買収するという戦略提携を発表した。アリスポーツとしては初めての買収で、乐动力はアリババのフィットネス製品の小売り戦略に重要な機能を果たすと予想される。運動量に応じてクーポンをもらうことができ、淘宝Taobaoで買い物をする際に使えるという機能も備えている。

 

以上、運動ビッグデータを利用したアプリや、アプリと関連したフィットネス事業を展開する企業を見てきた。前編で見たように、フィットネス意識が高まる中国。今後も、中国のフィットネスアプリやハードウェア製品の動向に注目したい。

source:https://bit.ly/2TOjngI