中国の若者の結婚観―4つの特徴

中国において、結婚とは家と家の結びつきであるという考え方が伝統的であった。中国人男性は家や車を持っていることが結婚の必須条件であるというイメージが強い。都市部では経済発展が急速に進み、中国人女性の社会的な地位も向上している。では、最近の中国の若者は、実際にはどのような結婚観を持っているのだろうか?今回は、中国のリサーチ会社艾瑞咨询(アイリサーチ)の『2018年中国の結婚と幸福度に関するレポート』より、中国の現代結婚の特徴や傾向をご紹介したい。

本レポートによれば、中国の現代の結婚には、
・結婚の減少と離婚の増加
・初婚年齢の上昇
・第4次独身ブームとお見合い結婚の再興
・恋愛観の多様化
という四つの大きな特徴が見られた。

特徴1:結婚の減少と離婚の増加

 年間結婚数と結婚率は、年々低下しているのに対し、年間離婚数と離婚率は年々上昇している。現代社会において、結婚や家庭を築くことが困難であることがわかる。

 結婚数の低下には、一人っ子政策が原因であるミレニアル世代(90年代生まれ)以降の出生率の低下が大きく影響している。また、都市が発展するにつれ、結婚にかかるコストや生活費は増加傾向にある。中国の都市部では年々地価が上昇しているにも関わらず、中国において家や車の購入は結婚の必須条件だ。その他にも、結婚式費用、結婚写真の撮影、新婚旅行、出産後の生活費など、どれも相当な額の支出が必要となることから、未婚の若者にとって結婚は「高い買い物」であるという認識が広まり、結婚を敬遠する人も多いようだ。特徴4(本文下面)にも見られるように、考え方が多様化し、交際は続けるが結婚しない、結婚はしないが同棲はする、など男女交際の在り方も多様化している。結婚よりも、「一生ものの恋愛をすること」に価値を見出す若者が増えている。

 また、社会の発展に伴う考え方の多様化は、離婚観に影響を与えている。以前の中国社会では、まともな人は離婚しない、離婚は異常であるとの考え方が主流であったが、若者は「自分が幸せかどうか」を重視する傾向にあり、婚姻もより流動的になってきている。

 

特徴2:初婚年齢の上昇

 初婚の年齢が上昇傾向にある。仕事を優先、先に仕事や事業を成功させてから家庭を築きたいという人が増えていることが原因と考えられる。他にも、女子教育のレベルが上昇するに伴い、女性の社会的な地位も向上し、他先進国と同じく家庭に入ることを望まない女性が増加しているという。

 

特徴3:第4次独身ブームとお見合い結婚の再興

 近年中国では、第4次独身ブームが到来したと言われている。1990年代の第3次独身ブームは、改革開放に伴って家に対する考え方がより自由になり離婚数が急増したが、今回の独身ブームは、女性の社会的な地位が向上したことが大きな要因となっている。受動的というよりは、進んで独身を好む人も増加したようだ。この独身ブームに伴い、「凭实力单身(píngshílì dānshēn :実力あっての独身)」というネット流行語も生まれた。異性の心を理解しておらず、恋愛が苦手であるため、独身であるべくして独身であるという、肯定的な考え方だ。都市部では生活費や結婚にかかるコストが上昇したことから結婚が敬遠されがちである。一方農村部では、一人っ子政策と伝統的な男尊女卑の考え方が原因で、若者の男女比では男性の比率が大きい。これに伴い、男性が結婚できない傾向が顕著であるという。

 

 この第4次独身ブームに伴い、結婚適齢期を逃した男女が急増している。2016年には「剩男剩女(shèngnán shèngnǚ:婚期を逃した独身男女)」が2.4億人を突破した。これがきっかけとなり、お見合い結婚やお見合い番組が再び流行の兆しを見せている。中国でも恋愛結婚が主流となっているが、現代型見合い結婚(新包办婚姻:xīn bāobàn hūnyīn )が注目されている。かつての見合い結婚には、「包办婚姻」と呼ばれる、両親などの新郎新婦以外の第三者によって結婚の取引をされてしまう、半ば強制的な結婚もあった。現代型見合い結婚は、男女は親の紹介を通して出会い、お互いを知った後で結婚を決めることができるところが強制的な見合い結婚とは異なるが、結婚式の金銭的・物質的な準備や結婚に必要な費用、更には子供の教育まで、結婚に関わるあらゆるステップに新郎新婦の両親たちが干渉していくスタイルだ。

 

 結婚は家同士の結びつきという伝統的な考え方が基盤にあるものの、現代の都市における生活費の上昇は、若者たちが経済的に両親に頼らずには結婚できない状況を生み出している。更に、都市部で仕事に没頭する若者たちは、忙しく、恋愛に割ける時間も限られている。調査では、恋愛結婚の方が幸福度が高いという結果が出ているものの、都市の生活が困難な現代では、両親の経済力や問題処理能力に頼るこのような新型見合い結婚も選択肢のひとつとして受け入れられるようになった。

 

特徴4:恋愛観 の多様化

 経済や文化の開放度が高まったことが要因と考えられる。恋愛に対しても、開放的、包容的な考え方を持つ人が増え、恋愛のスタイルも多様化、個性化してきている。周りの人とは異なる恋愛のスタイルや、独り身でいることに対しても、自信を持つ人が増えたようだ。

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