中国銀聯がモバイル決済アプリ「クイックパス」をリリース。アリペイとウィーチャットペイが支配する394兆円の中国モバイル決済市場へ参入

中国銀聯(ぎんれん)は、中国国内の数銀行と共同開発したモバイル決済アプリ「クイックパス(The QuickPass:云闪付)」を12月11日にリリースした。記者会見には、ユニオンペイ、17の商業銀行、14の地域銀行、中国人民銀行、民間決済企業、そしてモバイル端末メーカーおよびパートナーなどが一同に勢揃いした。

「クイックパス」とは、中国人民銀行の指導の下、銀聯カード(ユニオンカード)を発行する中国銀聯と商業銀行が共同開発したモバイル決済アプリである。ユーザーはアプリから各銀行の口座をまとめて管理することができ、モバイル決済や割引サービスを受けることができる。

QRコードによる決済、クレジットカード関連サービス、銀行口座の管理、個人間の送金など、決済に関する機能はほぼアプリ上で完結するのだ。そのため、オンラインおよびオフラインにおけるユーザーの衣・食・住、ほぼすべての決済シーンで活躍することができる。現在、中国国内の鉄道、10万店舗ほどのコンビニやスーパーマーケット、30以上の大学、100以上の野菜市場、300以上の公共サービスでの決済に利用可能だ。

次のステップとして、あらゆる口座の残高照会や交通違反の罰金の支払いなど特殊な決済シーンにも対応していく方針だ。公共交通機関の地下鉄、病院の医療費、遊園地、スマートパーキングなど、利用シーンのさらなる拡大を目指している。

すでにシンガポール、マカオ、香港で導入されており、今後は東南アジア、中東などの地域に展開する。実際、同アプリに必要なPOS端末は すでに香港、マカオ、東南アジア、オーストラリア、ロシアなど世界10ヵ国で60万台以上普及している。この点は今後の海外展開に拍車をかける一因となるかもしれない。

中国の調査会社が報告した「中国のサードパーティ決済およびモバイル決済市場の四半期モニタリング報告書(中国第三方支付移动支付市场季度监测报告)」によれば、2017年度の第二四半期における中国のモバイル決済の市場規模は、 23兆人民元(394兆円)に達している。

そのうち、「アリペイ(Alipay:支付宝)」と「ウィーチャットペイ(WeChat Pay:微信)」が占める支払いの割合は92.82%だ。中国銀聯の参入によって「モバイル決済の覇権争い」は今後どうなるのか注目していきたい。